本作は標本の形式を引用した作品です。この蝶達はイマジネーションの蝶なのです。それらはピンで貼付け
にしておくことはできず飛び立っていき、次から次へと新しい蝶達が生まれてきます。人は美しいもの、儚
いものを留め置くために、様々な技術や眺めるための装置を開発してきましたが、私たち人間の想像力は形
にすることができる以上に無限大で、想像することを止めることはできないのではないでしょうか？本作の
タイトルメタ・モルフォス- Meta.Morphosは変身／変態を意味するフランス語の”メタモルフォーゼ”と蝶の
一種である”モルフォ蝶”、メタ概念の”meta”を組み合わせた作者の造語です。想像の力が次々と変化を産
み、とどまることなく次の階層を形作って行くことを意図しています。

▲上：展示風景◀左：︎大サイズはエディション各２点、小サイズはエディション各４点でシリーズ展開していますが、中サイズのみユニークで個人蔵。中サイズは制作中に亡くなった師匠、故、石岡瑛子さんを思って作った作品です。