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制作について |
映像インスタレーション、オブジェ、ドローイング等、技法や素材を横断する美術家として活動しています。 私は常に体験から引き起こされるイマジネーションと身体性の関係を主題にしています。人は目や耳や体中の感覚を使って体験し、それを感じ、味わい、それが何であったか記憶に刻みこむます。厳密に言えば何かを体験をする前と後では、私たちの知覚する世界は異なっているはずです。花が咲いた、風の匂いを感じた、月が冴えている、大切な人の笑顔が美しい、本当はそれだけのことで、世界は変わります。縄文時代から日本にあるアニミズムは自然の変化や人の感情の変化がおこす現象に神を見いだしてきました。私の作品ではときにこれらのアニミズムをモチーフとして使っています。日本の古いアニミズムの儀礼や逸話には、イマジネーションの世界を丁寧に体感し、世界を知覚し直すというプロセスが含まれている、と感じているからです。 今日私達は新しいテクノロジーに次から次へと囲まれ、世界を知覚する感覚に鈍感になっているように思えます。テクノロジーを否定しているのではありません。私は知覚が鈍感になることが怖いのです。世界は人の数以上に知覚の数だけ無限にある筈。それを感じることができるとき、人は多様性に喜びを見いだすことができるでしょう。 |